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和文書体の基本とは?書体の種類と漢字・かなの構成を初心者向けに解説

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和文書体の基本とは?書体の種類と漢字・かなの構成を初心者向けに解説

デザインを始めると、「明朝体」「ゴシック体」「丸ゴシック体」など、日本語の書体の種類がたくさんあって、どれを選べばよいか迷ってしまいますよね。

なんとなくの好みで選んでいると、伝えたい雰囲気とずれたり、読みにくいデザインになったりすることがあります。

この記事では、日本語の文字のための書体である「和文書体」の基本として、和文書体を構成する文字と、書体の種類(主な分類)の全体像を初心者向けに解説します。

和文書体の基本

まずは和文書体とは何か、そして和文書体がどんな文字でできているのかを押さえましょう。

欧文(アルファベット)の書体とは、文字の数も設計の考え方も大きく違います。

和文書体とは何か

和文書体とは、日本語の文字(漢字・ひらがな・カタカナ)を表現するためにデザインされた書体のことです。

書体とは、「明朝体」「ゴシック体」のように、文字の形に共通したデザインの特徴を持つ文字のグループを指します。

これに対して「フォント」は、書体をパソコンやスマートフォンで使えるようにしたデータのことです(違いはフォントと書体の種類の知識で解説しています)。

和文書体の種類を知っておくと、「上品に見せたいから明朝体」「親しみやすくしたいからゴシック体」のように、根拠を持って書体を選べるようになります。

和文書体を構成する文字

和文書体の大きな特徴は、1つの書体の中に性格の違う複数の種類の文字が入っていることです。

日本語の文章は、漢字・ひらがな・カタカナに加えて、数字やアルファベット、句読点などの記号が混ざって書かれるためです。

下の見本では、1つの文の中の文字を種類ごとに色分けしています。

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■ 漢字 画数が多く、形が複雑
■ ひらがな 曲線が多く、やわらかい形
■ カタカナ 直線的で、画数が少ない
■ 英数字 欧文の文字。和文書体の中にも入っている

漢字は画数が多く四角く詰まった形、ひらがなは曲線の多いやわらかい形、カタカナは直線的な形と、同じ書体の中でも文字ごとに性格がまったく違います。

和文書体は、これらを1つの文の中で混ぜても違和感なく読めるように、全体の雰囲気をそろえてデザインされています。

収録する文字の数も、欧文書体とはけた違いです。

アルファベットは大文字・小文字を合わせても52字ですが、和文のフォントは漢字だけで数千字を収録します。

たとえばアドビの日本語フォントでは、標準的な文字セット「Std」で9,354字、より多くの字形を含む「Pr6N」では23,058字を収録しています(アドビ公式ブログ(英語))。

和文書体を1つ作るには、それだけ膨大な文字をデザインする必要があるのです。

和文書体は正方形の枠で設計される

和文書体の文字は、基本的に同じ大きさの正方形の枠の中に収まるように設計されています。

この基準になる枠を「仮想ボディ」、枠の中で実際に文字が描かれている部分を「字面(じづら)」と呼びます。

仮想ボディは、原稿用紙のマス目のように、1文字ずつ入れる目に見えない正方形の枠だと考えると分かりやすいでしょう。
字面は、そのマス目の中で実際に線が描かれている範囲のことです。

下の見本では、1文字ずつ正方形の枠を表示しています。

漢字書体
漢字:枠いっぱいに字面が広がる
もじのク
かな:枠に対して字面が小さめ

漢字は枠いっぱいに広がっているのに対し、かなは同じ枠の中で字面が小さく、まわりに余白ができています。

文字を並べるときは、字面ではなくこの枠どうしをくっつけて並べます。
そのため、枠の中の余白が多いかなは、その余白のぶんだけ隣の文字とのすき間が大きく見えるのです。

そのため、かなが続く部分は文字の間隔が開いて見え、漢字が続く部分は詰まって見えるという、和文特有の現象が起こります(武蔵野美術大学 MAU ART & DESIGN GLOSSARY「Imaginary Body」(英語))。

見出しなど大きな文字で、文字の間隔を1文字ずつ調整する「カーニング」が必要になるのはこのためです(詳しくはカーニングとトラッキングの教科書で解説しています)。

和文書体の種類(主な分類)

ここからは、和文書体の種類を大きな分類で見ていきます。

すべての書体名を覚える必要はなく、まずは「どんな分類があり、それぞれどんな印象か」をつかめば十分です。

和文書体の主な5つの分類

和文書体は、大きく「明朝体」「ゴシック体」「丸ゴシック体」「筆書体」「デザイン書体」の5つに分けて考えると全体像がつかみやすくなります。

フォントメーカーのアドビも、和文書体をこの5つの系統に分けて紹介しています(明朝・ゴシックetc…書体の種類とウェイト(アドビ))。

分類形の特徴与える印象
明朝体横線が細く縦線が太い。横線の終わりに「ウロコ」と呼ばれる三角の飾りがある上品・落ち着き・信頼感
ゴシック体縦線と横線の太さがほぼ同じで、飾りがない(あってもごく小さい)すっきり・力強い・親しみやすい
丸ゴシック体ゴシック体の線の端や角を丸くしたものやわらかい・やさしい・親しみやすい
筆書体毛筆で書いた文字をもとにした書体。楷書体・行書体など伝統的・和風・格式
デザイン書体手書き風・装飾的など、自由な発想で作られた書体個性的・にぎやか(書体により大きく異なる)

本文に使われるのは、主に明朝体とゴシック体です。

丸ゴシック体・筆書体・デザイン書体は個性が強いので、見出しやロゴ、キャッチコピーなど、短い文字で雰囲気を出したい場面に部分的に使うのが基本です。

このほか、見間違いや読み間違いが起こりにくいように工夫された「UD書体(ユニバーサルデザイン書体)」もあり、UD書体にも明朝体・ゴシック体・丸ゴシック体があります。
たとえば、濁点(゛)と半濁点(゜)を大きくはっきりさせて「ば」と「ぱ」を見分けやすくしたり、文字の内側のすき間を広くとって小さく表示してもつぶれにくくしたりといった工夫がされています。

明朝体とゴシック体を見比べる

和文書体の中で最も代表的なのが、明朝体とゴシック体の2つです。

同じ文を2つの書体で並べると、印象の違いがよく分かります。

和文書体の基本

文字の形が変わると、文章から受ける印象も変わります。

明朝体

和文書体の基本

文字の形が変わると、文章から受ける印象も変わります。

ゴシック体

※見本の書体は、お使いの端末に入っているフォントで表示されます

明朝体は線の太さに強弱があって上品で落ち着いた印象、ゴシック体は線の太さが均一ですっきり力強い印象になっています。

同じ言葉でも、書体を変えるだけで伝わる雰囲気が変わることが分かります。

同じ分類の中にもスタイルとウェイトがある

明朝体・ゴシック体と一口に言っても、その中にはさまざまなデザインの違いがあります。

たとえば、かなを小さめにした伝統的な「オールドスタイル」と、かなを漢字に近い大きさにして文字の内側の空間(フトコロ)を広くとった「モダンスタイル」があります。

フトコロとは、「口」や「国」の四角の内側のように、文字の線に囲まれた内側の空間のことです。
オールドスタイルはかなが小さく、落ち着いた伝統的な印象に、モダンスタイルはかなが大きくフトコロも広いため、明るくはっきりした現代的な印象になります。

明朝体には、細い横線を太くして画面上で見やすくした「横太明朝」と呼ばれるものもあります。

さらに、多くの書体には「ウェイト(文字の太さ)」の違うバリエーションが用意されています。

ウェイトは「Light(細い)」「Regular(標準)」「Bold(太い)」のような名前や、「W3」「W6」のような数字で表されます(ウェイトの使い分けはフォントの「太さ(ウェイト)」で解説しています)。

細いウェイト

標準のウェイト

太いウェイト

ゴシック体のウェイト違い

※端末に細いウェイトのフォントがない場合、太さの差が小さく表示されることがあります

上の見本のように、同じ書体でもウェイトを変えるだけで、見出しにも本文にも使い分けられます。

和文書体は欧文書体に比べて種類が少なく見えがちですが、こうしたスタイルやウェイトの違いまで含めると、選択肢はかなり豊富です。

実践のポイント

和文書体を実際に選ぶときの考え方と、陥りやすい失敗、よくある疑問をまとめます。

和文書体を選ぶときの基本の考え方

和文書体を選ぶときは、まず本文用の書体を明朝体かゴシック体から1つ決め、そのうえで見出しなどに使う書体を考えるのが基本です。

本文は文章量が多く、読みやすさが最優先になるためです。

たとえば、落ち着いた雰囲気のサイトなら本文を明朝体に、親しみやすさを出したいサービスサイトなら本文をゴシック体にする、といった決め方です。

そのうえで、キャッチコピーだけに丸ゴシック体や筆書体を使うと、読みやすさを保ったまま個性を加えられます。

本文を先に決め、個性の強い書体は短い文字に絞って使うと、全体がまとまりやすくなります。

注意点・よくある間違い

  • 筆書体やデザイン書体を本文や小さい文字に使ってしまい、読みにくくなることがあります。
    漢字は画数が多いため、小さいサイズでは複雑な形がつぶれやすくなります。
    個性の強い書体は、大きな見出しや短い言葉だけに使いましょう。
  • 1つのデザインで書体を何種類も使ってしまい、まとまりのない印象になることがあります。
    和文書体は本文用と見出し用の2種類程度に絞るのが無難です。
  • 和文フォントに入っている英数字を、そのまま見出しやロゴの英字に使ってしまうことがあります。
    和文フォントの英数字は、日本語と並べたときになじむことを優先して作られていることが多く、英字だけで大きく見せると、形や字間のバランスが欧文専用のフォントほど整っていない場合があります。
    「SALE」や「NEW」のように英字を目立たせたい場面では、欧文書体を組み合わせることも検討しましょう(組み合わせ方は見やすいフォントの選び方で解説しています)。

よくある質問

  • Q. 和文書体の名前は全部覚える必要がある?
    A. 全部覚える必要はありません。
    まずは「明朝体・ゴシック体・丸ゴシック体・筆書体・デザイン書体」という大きな分類と、それぞれの印象を押さえれば十分です。
    書体名は、実際に使いながら少しずつ覚えていけば大丈夫です。
  • Q. 和文書体と和文フォントは同じ意味?
    A. 日常的には同じような意味で使われることが多いですが、厳密には違います。
    「書体」は文字のデザインのこと、「フォント」はその書体をパソコンなどで使えるようにしたデータのことです。
    詳しくはフォントと書体の種類の知識で解説しています。
  • Q. Webサイトの本文には、どの分類を選べばいい?
    A. 迷ったら、明朝体かゴシック体のどちらかを選びましょう。
    どちらも本文向けに作られた書体が多く、ウェイトも豊富なので、さまざまな場面に対応できます。
    サイト全体の雰囲気に合わせて、上品さを出したいなら明朝体、親しみやすさを出したいならゴシック体を選ぶのが目安です。

まとめ

和文書体とは、漢字・ひらがな・カタカナなど性格の違う多くの文字を、正方形の枠の中で1つの雰囲気にそろえてデザインした日本語の書体です。

種類は大きく「明朝体・ゴシック体・丸ゴシック体・筆書体・デザイン書体」の5つに分けられ、本文には明朝体かゴシック体、見出しやキャッチコピーには個性のある書体を部分的に使うのが基本です。

まずは手元にある本やWebサイト、駅の看板などを見て、使われている文字が5つの分類のどれにあたるかを当ててみてください。