私たちはスマホのアイコンを見ただけで説明書を読まなくてもある程度使い方がわかる。
なぜか?
今回、アフォーダンスとよばれる認知心理学における概念を解説します。
アフォーダンスとは
アフォーダンスとは、
「人間はその情報を識別することで、それらのもつ「意味」や「価値」を見出すことができるというものを指します。」
これは、心理学におけるアフォーダンスの意味です。
知覚研究で知られるアメリカのギブソン(James Jerome Gibson)によって提唱された概念です。
たとえば、部屋に椅子をみつけたとする。
椅子は「座る」という行為を人間にアフォードしていることになる。
実際に「座る」かどうかは、座る側の人間に依存する。
疲れていたり、サイズが合わなければ座らないかもしない。
デザインの分野において、
「説明なしに使い方がわかり、人に自然な行動を促す工夫や効果」を指します。
デザイン分野では「モノが人に与える行為のヒント」と捉えています。
アフォーダンスとシグニファイアの違いに注意
「シグニファイア」という言葉の意味も似ているが以下の違いがある。
アフォーダンスの考え
椅子のような形状のモノを見た時に
- 座る
- モノを置く
- 踏み台にする
など、正しい行為の他にも、いくつかの行為を知覚します。
環境からの情報で判断するため、自身の「知識」の有無は関係なく「知覚」の話と言えます。
シグニファイアの考え
人が持つ「知識」を活用しピックアップのヒントとし認知する事を指します。
これにより正しい行為に導けるわけです。
アフォーダンスを支える付加的な情報と考えてよいです。
例えば椅子の座面にピクトグラムや文字でヒントが書かれているような状況です。
事例
アフォーダンス
電車のシートを見ると「座れる」を知覚する
シグニファイア
シートにシルバーシートであるサインを明示する事で「老人に優先して座ってもらう」を認知
活かすためのポイント
以下のようなポイントを意識して活用する事でユーザビリティの向上させる事ができます。
- 個性的なデザインより多くのユーザーが共通で認識できるデザイン
- ユーザー使い方を認識している形状にデザインする
- 見慣れたUIを利用する。
まとめ
アフォーダンスとシグニファイアは、人間の性質を生かしてデザインから情報の知覚と使い方の認知を助けてくれる。