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フォントライセンスとは?商用利用やWebで使う前の確認ポイントを解説

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フォントライセンスとは?商用利用やWebで使う前の確認ポイントを解説

「無料でダウンロードできたフォントだから、仕事で使っても大丈夫だろう」と考えたことはないでしょうか。

実は、フォントにはそれぞれ「どんな使い方をしてよいか」を定めたフォントライセンスがあり、無料のフォントでも使い方に条件が付いていることがあります。

この記事では、フォントライセンスとは何か、商用利用やWebでの利用の前に確認したいポイントを初心者向けに解説します。

※この記事はフォントライセンスの考え方を紹介するもので、個別の案件についての法的な判断を示すものではありません。

実際に使う前には、必ずそのフォントの公式な利用規約を確認してください。

この記事のポイント

  • 「無料=商用利用OK」ではない(個人利用に限ったフリーフォントもある)
  • パソコンで使う「デスクトップ用」と、Webで配信する「Webフォント用」では、条件が分かれていることがある
  • 判断の根拠は、まとめサイトではなく配布元・販売元の公式の規約にする

フォントライセンスの基本

まずはフォントライセンスとは何か、そしてライセンスで決められている主な項目を押さえましょう。

フォントライセンスとは何か

フォントライセンスとは、フォントを作った人や提供する会社が定めている「このフォントをどう使ってよいか」というルール(利用規約)のことです。

フォントは、パソコンやWebで文字を表示するためのデータ(ソフトウェア)として配布されています(フォントと書体の違いはフォントと書体の種類の知識で解説しています)。

そのため、ほかのソフトウェアと同じように、使う人は提供元が決めた条件の範囲で使うことになります。

たとえば「個人の趣味なら自由に使ってよいが、仕事での利用は有料」「Webサイトでの配信は別料金」のように、同じフォントでも用途によって条件が変わることがあります。

つまり、フォントを選ぶときは、デザインの好みだけでなく「今回の使い方がライセンスで認められているか」もあわせて確認する必要があります(フォントの選び方全体は見やすいフォントの選び方で解説しています)。

確認をせずに規約に反した使い方をしてしまうと、提供元からライセンスの購入や使用の中止を求められ、公開済みのWebサイトや印刷済みの制作物を作り直すことになる場合もあります。

ライセンスで確認する主な項目

フォントライセンスは提供元ごとに書き方が違いますが、確認すべき項目はおおむね共通しています。

どの項目を見ればよいかを知っておくと、初めて読む規約でも要点を探しやすくなるからです。

確認する項目どういうことか具体例
商用利用仕事や販売物など、利益を目的とした制作物に使ってよいか企業サイト、広告バナー、販売する商品のパッケージ
Web埋め込み(Webフォント)フォントのデータをWebサーバーから配信して、閲覧者の画面に表示してよいかCSSの@font-faceで自分のサイトに読み込む
アプリ・ソフトへの同梱アプリやゲームの中にフォントのデータを含めて配布してよいかスマホアプリ、電子書籍、ゲーム
再配布フォントのファイルそのものを他人に渡したり、配布したりしてよいか素材集にフォントファイルを入れる、クライアントにフォントを渡す
改変文字の形を作り変えたり、別のフォントとして作り直したりしてよいか一部の文字を修正して新しいフォントとして配る
ロゴ・商標での利用ロゴや商標(商品名やマークとして登録するもの)に使ってよいか店名ロゴ、商品ロゴ

このうち、初心者が特に見落としやすいのが「Web埋め込み」と「再配布」です。

パソコンにインストールして画像を作るだけなら問題なくても、Webフォントとしてサーバーに置いて配信すると、フォントのデータそのものを閲覧者に届けることになるため、別の条件が設けられていることがあります。

Webフォントがどのような仕組みで表示されるかは、Webフォントとは?で解説しています。

有料フォントでは、パソコンで使う「デスクトップ用」と、Webで配信する「Webフォント用」でライセンスが分かれていることもあります。

フォントの主な提供形態

フォントの提供形態は、大きく「オープンソースのフォント」「購入するフォント」「サブスクリプション(定額制)のフォント」の3つに分けて考えると整理しやすくなります。

提供形態によって、ライセンスで気をつけるポイントが変わるからです。

提供形態代表的な例気をつけるポイント
オープンソースのフォントGoogle Fontsのフォント(SIL Open Font Licenseなど)商用利用は広く認められているが、フォント単体での販売や、再配布時のライセンス同梱などの条件がある
購入するフォントフォントメーカーから個別に買うフォント購入したライセンスの種類(デスクトップ用・Web用など)と、使える台数やページビューの範囲
サブスクリプションのフォントAdobe Fontsなどサービスが指定する方法で使うことが前提で、契約の範囲外の使い方(自分のサーバーに置くなど)には別のライセンスが必要になることがある
個人が配布するフリーフォント個人のWebサイトで配布されているフォント作者ごとに条件がばらばらなので、配布ページの規約を必ず読む

「無料=何にでも使える」ではない点が、いちばんの注意点です。

パソコンに最初から入っているフォントや、Canvaのようなデザインツールの中で選べるフォントも、自由に使えるとは限りません。
OSやツールの利用規約で使える範囲が決まっているので、仕事で使う前には、それぞれの提供元の規約やヘルプを確認しましょう。

代表的なフォントライセンスの中身

ここでは、Webでよく使われるフォントのライセンスを例に、実際にどんな条件が書かれているかを見ていきます。

SIL Open Font License(OFL)

SIL Open Font License(略してOFL)は、オープンソースのフォントで広く使われているライセンスです。

オープンソースとは、作り手がデータを公開し、決められた条件のもとで誰でも自由に使ったり改良したりできるようにしている仕組みのことです。

OFLの公式サイト(英語)では、OFLのフォントは本・ポスター・ロゴ・Webサイトなどに使うことができ、クレジット(作者名の表記)も不要だと説明されています。

一方で、OFLの本文(英語)には、主に次のような条件が書かれています。

  • フォントのデータを、それ単体で販売してはいけない。
    ソフトウェアなどに同梱して配布・販売することはできる。
  • フォントを再配布するときは、著作権表示とライセンスの文章を一緒に含める。
    具体的には、フォントに同梱されているライセンスファイル(OFL.txtのような名前で、著作権表示とライセンス本文が書かれたもの)を、書き換えずにそのまま含めます。
  • 改変したフォントには、作者が予約した名前(Reserved Font Name)を、許可なく使ってはいけない。
  • 改変したフォントを配布する場合も、OFLのまま配布する。

なお、OFLの本文には、フォントを使って作った文書(デザインやWebページなど)にはOFLの条件は及ばないと明記されています。

つまり、OFLで注意が必要になるのは、主に「フォントのファイルそのもの」を配ったり作り変えたりするときです。

Google Fontsのフォント

Webで手軽に使えるGoogle Fontsのフォントは、すべてオープンソースのライセンスで公開されています(Google Fontsの使い方はGoogle Fontsとは?で解説しています)。

Google FontsのFAQ(英語)では、商用利用もでき、ロゴ・印刷物・Webサイト・アプリなどに使えると案内されています。

ただし、使われているライセンスは1種類ではなく、OFLのほかにApache License、Ubuntu Font Licenseのフォントもあります。

それぞれのフォントのページにライセンスの種類が書かれているので(たとえば日本語フォントのNoto Sans JPはOFLで公開されています)、フォントを決めたら一度確認しておきましょう。

サブスクリプション型のフォント

Adobe Fontsのような定額制のサービスでは、「サービスが用意した方法で使う」ことが前提になっています。

たとえばAdobe Fontsのヘルプでは、Webでの利用はAdobe Fontsの配信の仕組み(埋め込みコード)を通して行い、フォントのファイルを自分のサーバーに置いて配信(セルフホスティング)したい場合は、フォントメーカーなどから別にライセンスを購入する必要があると案内されています。

契約しているから何をしてもよい、というわけではない点に注意しましょう。

契約を解約したあとの扱いや、クライアントのサイトで使う場合の契約者の考え方なども、サービスごとに決まりがあるため、公式のヘルプで確認しておくと安心です。

フォントライセンスを確認する手順

実際にフォントを使う前に、どんな順番でフォントライセンスを確認すればよいかを紹介します。

使い方を先に書き出してから規約を読む

規約を読む前に、「今回そのフォントをどう使うのか」を先に書き出しておくのがコツです。

使い方が決まっていないまま規約を読むと、どの項目が自分に関係するのか判断できないからです。

たとえば、次のような順番で確認すると漏れが少なくなります。

STEP 1

使い方を書き出す

個人用か仕事か、画像にするかWebで配信するか、ロゴにするか

STEP 2

公式の規約を探す

配布元・販売元の公式ページや、同梱のライセンスファイルを確認

STEP 3

用途ごとに照らし合わせる

STEP 1の使い方が、それぞれ許可されているかを1つずつ確認

STEP 4

記録を残す

確認した日付・規約のURL・ライセンスの種類をメモしておく

左から順に、使い方の書き出し→公式の規約探し→用途ごとの照らし合わせ→記録、と進めます。

規約は更新されることがあるため、「いつ・どのページで確認したか」を残しておくと、あとから見直すときにも役立ちます。

用途ごとの確認表を作る

複数の用途がある案件では、用途ごとに「許可されているか」を表にしておくと見落としを防げます。

頭の中だけで判断すると、「画像はOKだったから、Webフォントも大丈夫だろう」のような思い込みが起きやすいからです。

次の見本は、あるフォントについて用途ごとに確認した結果をまとめたメモの例です(フォント名と結果は架空のものです)。

「サンプルゴシック」のライセンス確認メモ

確認日:20XX年X月X日/確認したページ:配布元の利用規約ページ

○ 許可
商用の画像・バナー制作
○ 許可
Webフォントとしての配信
× 不可
フォントファイル単体の再配布
△ 要問い合わせ
ロゴの商標登録

このように「○」「×」だけでなく、規約から判断しきれないものを「△ 要問い合わせ」として分けておくのがポイントです。

判断に迷う使い方は、自己判断せず、フォントの提供元に問い合わせて確認しましょう。

クライアントワークでの確認

依頼を受けて制作するクライアントワークでは、自分だけでなく「納品したあとに誰がどう使うか」まで確認しておく必要があります。

制作したデータをクライアントが修正したり、ロゴを何年も使い続けたりする場合、制作者のライセンスだけでは足りないことがあるからです。

たとえば、クライアント側でもデザインデータを編集するなら、クライアント自身もそのフォントのライセンスを持っている必要があるかどうかを確認します。

ロゴのように長く使うものは、文字をアウトライン化(文字をフォントのデータではなく図形に変換すること)して納品するのが一般的ですが、その扱いも規約で認められているかを確認しておくと安心です。

使うフォントとライセンスの種類は、見積もりや提案の段階でクライアントと共有しておきましょう(書体のルールに利用条件も書いておく考え方はブランドとタイポグラフィとはで紹介しています)。

実践のポイント

フォントライセンスで陥りやすい失敗と、よくある疑問をまとめます。

注意点・よくある間違い

  • 「無料で配布されているから」という理由だけで、商用利用ができるか確認せずに仕事で使ってしまうことがあります。
    無料のフォントでも「個人利用のみ」「商用は有料」という条件が付いていることがあるので、必ず規約を読みましょう。
  • パソコンで使ってよいフォントなら、Webフォントとして配信してもよいと思い込んでしまうことがあります。
    Web埋め込みは通常の利用とは別の条件になっている場合があるので、個別に確認が必要です。
  • フォントのファイルを、素材と一緒にクライアントや仲間に渡してしまうことがあります。
    フォントファイルの受け渡しは「再配布」にあたる場合があるため、渡す前に規約を確認しましょう。
  • まとめサイトや個人ブログの「商用利用OK」という紹介だけを根拠にしてしまうことがあります。
    紹介記事の情報は古くなっていることもあるため、最終的には配布元・販売元の公式の規約で確認しましょう。

よくある質問

  • Q. Google Fontsのフォントは仕事で使ってもいい?
    A. Google FontsのFAQでは、商用利用ができると案内されています。
    ただし、フォントごとにライセンスの種類(OFLなど)が異なり、フォントのファイルを配布するときにはライセンスの文章を同梱するなどの条件があります。
    使う前に、各フォントのページでライセンスを確認しておきましょう。
  • Q. 規約が英語しかなく、読んでも判断できないときは?
    A. 自己判断で使わず、フォントの提供元に問い合わせるのが確実です。
    問い合わせるときは、「どの制作物に・どんな方法で使うか」を具体的に伝えると、回答をもらいやすくなります。
    判断が難しい案件や契約が絡む案件では、必要に応じて専門家に相談しましょう。
  • Q. フォントで作った画像やデザインにもライセンスの条件は付く?
    A. フォントによって異なります。
    たとえばOFLでは、フォントを使って作った文書にはOFLの条件は及ばないと明記されていますが、ほかのライセンスでは制作物の用途に条件を付けているものもあります。
    制作物の使い道(販売するグッズ、ロゴなど)も含めて規約を確認しましょう。
  • Q. 文字をアウトライン化(図形化)すれば、ライセンスは関係なくなる?
    A. 関係なくなるわけではありません。
    アウトライン化しても、そのフォントを使って作った制作物であることは変わらないためです。
    たとえば「個人利用のみ」のフォントをアウトライン化しても、仕事の制作物に使ってよいことにはなりません。
    画像にした場合も同じで、制作物の用途が規約で認められているかを確認しましょう。
  • Q. YouTubeなどの動画でフォントを使うのは、商用利用になる?
    A. 広告収入を得ている動画や、会社・お店の宣伝のための動画は、商用利用にあたると考えて確認するのが安全です。
    規約によっては、動画や放送など映像での使用について別の条件を定めているものもあります。
    「収益化していないから大丈夫」と自己判断せず、映像での利用について書かれた項目を確認しましょう。

まとめ

フォントライセンスとは、フォントを「どう使ってよいか」を提供元が定めたルールで、商用利用・Web埋め込み・再配布・改変などの条件がフォントごとに決まっています。

無料のフォントでも条件が付いていることがあるため、使い方を書き出してから公式の規約と照らし合わせ、判断に迷うものは提供元に確認することが大切です。

まずは、いま自分のパソコンやWebサイトで使っているフォントを1つ選び、配布元の規約ページを開いて「商用利用」と「Web埋め込み」の条件を確認してみてください。