HTMLを学び始めたばかりの方や、よくわからずにコードを書いてきた方にとって、<html lang="ja">
という記述は「何のためにあるの?」「本当に必要なの?」と疑問に感じるポイントの一つではないでしょうか。
この記事では、html lang="ja"
の意味から、設定方法、そして「不要では?」という疑問まで、初心者の方にもわかりやすく解説します。
💡この記事でわかる事
以下の内容を習得することができます:
- <html lang=”ja”> の「lang属性」が何を意味しているかがわかる
- なぜWebページの言語を指定する必要があるのか理解できる
- ページ内の一部分だけ言語を切り替える書き方がわかる
- lang属性は省略しても動くのに、なぜ推奨されるのか
- lang=”ja” と lang=”ja-JP” の違いがわかる
- lang=”ja” と lang=”en” をどのように使い分けるかがわかる
- 多言語サイトの場合、lang属性をどう使うか理解できる
- lang=”ja” と charset=”UTF-8″ が別の役割だと理解できる
- lang属性を設定することで得られるメリット
Contents
html lang=”ja”とは?その意味を理解しよう
<html lang="ja">
のlang
属性は、そのHTMLページで使用されている主な言語を宣言するための属性です。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>サンプルページ</title>
</head>
<body>
<h1>こんにちは</h1>
</body>
</html>
上記のコードで、lang="ja"
は「このページは日本語で書かれています」とブラウザや検索エンジン、支援技術に伝えています。
なぜ言語を指定する必要があるのか?
言語を指定することで、以下のような恩恵があります:
- スクリーンリーダーの正確な読み上げ:
視覚障害のある方が使用するスクリーンリーダーは、lang属性を参照して適切な発音や読み方を選択します。英語のページを日本語として読まれたら、まったく意味が通じませんよね。 - 検索エンジンの理解向上:
Googleなどの検索エンジンは、lang属性を参考にしてページの言語を判断し、適切な検索結果に表示します。 - ブラウザの翻訳機能の精度向上:
GoogleChromeなどのブラウザは、lang属性を見てページの言語を判断し、翻訳機能を提供します。言語が正しく指定されていないと、翻訳の精度が下がる可能性があります。 - フォントの自動選択:
同じ漢字でも、日本語と中国語では字形が微妙に異なります。lang属性があることで、ブラウザは適切なフォントを選択できます。
html lang=”ja”はどこに書く?正しい設定方法
基本の書き方:DOCTYPE宣言の後
lang="ja"
は、<html>
タグの開始タグ内に記述します。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<!DOCTYPE html>
の宣言の後、HTML文書の最初のタグである<html>
に記述するのが正しい位置です。
部分的に言語を変更する場合
ページ全体は日本語でも、一部だけ英語のコンテンツがある場合は、該当部分にもlang属性を指定できます。
<html lang="ja">
<body>
<p>これは日本語の段落です。</p>
<p lang="en">This is an English paragraph.</p>
</body>
</html>
html lang=”ja”は不要?よくある疑問に答えます
「html lang="ja"
を書かなくてもページは表示されるし、不要では?」という疑問を持つ方は多いです。
技術的には省略可能だが、推奨されない
確かに、lang属性がなくてもページは正常に表示されます。
HTMLの仕様上、lang属性は必須ではないからです。
しかし、省略すべきではありません。理由は以下の通りです:
- アクセシビリティの低下: スクリーンリーダーが正しく読み上げられない
- SEO効果の減少: 検索エンジンが言語を誤認識する可能性
- ユーザー体験の悪化: ブラウザの翻訳機能が適切に動作しない
たった一行の記述で、これらの問題を回避できるのですから、書かない理由はありません。
html lang=”ja”とja-jpの違い
lang="ja"
とlang="ja-JP"
の違いについても疑問を持つ方が多いです。
lang="ja"
: 日本語全般を指定lang="ja-JP"
: 日本で使われる日本語を指定(地域も含む)
ほとんどの場合、lang="ja"
で十分です。
ja-JP
は日本の日本語と他の地域の日本語(例: ブラジルの日系コミュニティ)を区別する必要がある場合に使用しますが、そのような状況は非常に稀です。
html lang=”en”との違いは?
英語のページを作る場合は、lang="en"
を使用します。
<!DOCTYPE html>
<html lang="en">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>Sample Page</title>
</head>
<body>
<h1>Hello World</h1>
</body>
</html>
html lang="ja"
とhtml lang="en"
の違いは、単純に指定している言語が異なるだけです。
日本語のページにはja
、英語のページにはen
を使います。
多言語サイトではどうする?
日英バイリンガルサイトの場合、各ページで適切な言語を指定します:
- 日本語ページ:
<html lang="ja">
- 英語ページ:
<html lang="en">
html lang=”ja”とUTF-8の関係
初心者の方が混同しやすいのが、lang="ja"
と文字コード(UTF-8)の関係です。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<title>サンプル</title>
</head>
この二つは別の役割を持っています:
lang="ja"
: ページの言語を宣言するcharset="UTF-8"
: 文字エンコーディングを指定する
charset="UTF-8"
がないと日本語が文字化けする可能性がありますが、これは文字コードの問題です。
一方、lang="ja"
は言語の識別に使われます。
両方とも必要な設定です。
html lang=”ja”とCSSの関連性
lang属性はCSSからも利用できます。
言語別にスタイルを変更したい場合に便利です。
/* 日本語ページ専用のスタイル */
html[lang="ja"] {
font-family: "Hiragino Kaku Gothic ProN", "メイリオ", sans-serif;
}
/* 英語ページ専用のスタイル */
html[lang="en"] {
font-family: "Helvetica Neue", Arial, sans-serif;
}
このように、言語によってフォントを変更するなど、きめ細かいスタイリングが可能になります。
html lang=”ja” dir=”ltr”とは?
たまに見かけるdir="ltr"
という属性について説明します。
<html lang="ja" dir="ltr">
dir
属性は、テキストの読み進める方向を指定します:
ltr
: Left to Right(左から右)rtl
: Right to Left(右から左)
日本語や英語は左から右に読むのでltr
、アラビア語やヘブライ語は右から左に読むのでrtl
を指定します。
日本語の場合、dir="ltr"
はデフォルト値なので省略可能です。
わざわざ書く必要はありません。
まとめ:html lang=”ja”は必ず設定しよう
html lang="ja"
は、技術的には省略可能ですが、以下の理由から必ず設定すべき属性です:
- アクセシビリティの向上: スクリーンリーダーが正確に読み上げる
- SEO効果: 検索エンジンが言語を正しく認識する
- ユーザー体験: ブラウザの翻訳機能が適切に動作する
- 国際標準: Web標準に準拠した正しいマークアップ
たった一行の記述で、これだけ多くのメリットが得られます。
「不要では?」という疑問を持つ方もいらっしゃいますが、ウェブサイトの品質を高めるために、必ず記述する習慣をつけましょう。
<!DOCTYPE html>
<html lang="ja">
<head>
<meta charset="UTF-8">
<meta name="viewport" content="width=device-width, initial-scale=1.0">
<title>あなたのページタイトル</title>
</head>
<body>
<em><!-- コンテンツ --></em>
</body>
</html>
この基本構造を覚えて、すべてのHTMLページに適用してください。
小さな一歩が、より良いウェブを作ることにつながります。