オンライン決済サービス(決済代行サービス)は、自分のWebサイトやWebアプリにクレジットカード決済などを組み込むためのサービスです。
カード会社ごとに契約しなくても、1社と契約するだけで主要なカードブランドや電子マネー、コンビニ払いなどをまとめて受け付けられます。
この記事では、決済サービスの仕組みと選び方、導入前に知っておきたいセキュリティのルールを説明したうえで、おすすめのサービスを比較します。
オンライン決済サービスとは?仕組みと導入のルール
まずは決済サービスがどんな役割をしているのかと、サイトに決済を組み込むときに守るべきルールを整理します。
決済サービスはお店とカード会社の「窓口」
本来、クレジットカード決済を受け付けるには、VisaやJCBなどのカード会社と1社ずつ契約する必要があります。
決済サービスはその間に入り、カード会社との契約や売上の入金をまとめて代わりに行ってくれる窓口です。
お店は決済サービスに手数料を払う代わりに、申し込み1回で複数の支払い方法を使えるようになります。
なお、BASEやShopifyなどのネットショップ作成サービスを使う場合は、決済の機能が最初から含まれているので、別に契約する必要はありません。
カード番号は自分のサーバーに保存しない
カード決済を扱うお店には、割賦販売法でカード番号の漏えいを防ぐ対策が義務づけられていて、その具体的な方法が経済産業省の「クレジットカード・セキュリティガイドライン」にまとめられています(経済産業省「クレジットカード・セキュリティガイドライン」)。
基本となるのが、カード番号を自分のサーバーに保存・通過させない「カード情報の非保持化」です。
決済サービスが用意する決済画面(リンク型)や、カード番号を別の文字列に置き換える仕組み(トークン決済)を使えば、カード番号に触れずに決済を組み込めます。
エンジニアは、カード番号を自分のフォームでそのまま受け取ってサーバーに送る実装を避けましょう。
本人認証「EMV 3-Dセキュア」への対応が必要
EMV 3-Dセキュアとは、カード決済のときにカード会社が本人確認を行い、なりすましによる不正利用を防ぐ仕組みです。
ガイドラインにより、ネットショップなどのEC加盟店は原則として2025年3月末までに導入することが求められました(JCB「カード決済時の本人認証サービス(EMV 3-Dセキュア)導入のご案内」)。
決済サービスを選ぶときは、EMV 3-Dセキュアに対応しているか、追加の費用がかかるかを確認しておきます。
オンライン決済サービスの選び方
決済サービスは、手数料・支払い方法・導入のしやすさの3点で比べると選びやすくなります。
手数料と入金のタイミングで選ぶ
多くの決済サービスは初期費用・月額0円で、決済ごとに売上の3%台の手数料がかかります。
手数料率だけでなく、1件ごとに固定でかかる手数料や、売上が口座に入金されるまでの日数、入金手数料も確認しましょう。
売上が大きくなると、月額がかかる代わりに手数料率が下がるプランが得になることもあります。
お客さんが使いたい支払い方法に対応しているかで選ぶ
クレジットカードのほかに、コンビニ払い・銀行振込・PayPay・Apple Pay/Google Payなど、お客さんの層に合った支払い方法が使えるかを確認します。
カードを持たない若い世代が多いならコンビニ払いやPayPay、スマホでの購入が多いならApple Pay/Google Payがあると、購入の途中でやめてしまうお客さんを減らせます。
コードを書くか、ノーコードで使うかで選ぶ
Webアプリに組み込むなら、日本語のドキュメントやテスト環境(本番のお金を動かさずに試せる環境)、各言語のSDKがそろったサービスが開発しやすいです。
コードを書かずに使いたいなら、URLを送るだけで支払ってもらえる「決済リンク」の機能があるサービスを選びます。
おすすめオンライン決済サービス6選を比較
ここからは、個人や小規模な事業者でも始めやすい決済サービスを6つ紹介します。
※手数料は2026年10月時点の各社公式サイトの情報で、国内の主要カードブランドの場合です。業種や条件で変わることがあるため、申し込み前に公式サイトで確認してください。
| サービス | 月額 | カード手数料 | 主な支払い方法 | 向いている人 |
|---|---|---|---|---|
| Stripe | 0円 | 3.6% | カード・コンビニ・銀行振込・PayPayなど | Webアプリに組み込みたいエンジニア |
| PAY.JP | 0円〜 | 3.3%〜 | カード・PayPayなど | シンプルなAPIで始めたい人 |
| Square | 0円 | 3.6% | カード・Apple Pay/Google Payなど | 実店舗もあり入金を早くしたい人 |
| PayPal | 0円 | 3.6%+40円 | PayPal残高・カード | 海外のお客さんにも売りたい人 |
| KOMOJU | 0円 | 3.25% | カード・コンビニ・銀行振込・スマホ決済 | ノーコードで多くの支払い方法を使いたい人 |
| fincode byGMO | 0円 | 3.6% | カード・コンビニ・銀行振込・PayPayなど | 国内企業のサポートを重視する開発者 |
Stripe:開発のしやすさで選ぶなら
Stripeは、世界中のWebサービスで使われている決済サービスです。
APIとドキュメントが充実していて、テストモードで本番と同じ流れを試せるため、Webアプリに決済を組み込むエンジニアに向いています。
カード・コンビニ払い・銀行振込に加え、PayPayやカードの分割払いにも対応しています。
サブスクリプション(定期課金)の仕組みも用意されているので、会員制サービスにも使えます。
PAY.JP:シンプルな国産APIで始めるなら
PAY.JPは、日本の開発者向けに作られたオンライン決済サービスです。
APIがシンプルで、日本語のドキュメントを見ながら短い時間で組み込めます。
月額0円のスタンダードプランでもカード手数料は3.3%と低めで、売上が増えると手数料がさらに下がる上位プランもあります。
入金は月1回か月2回から選べ、振込1回ごとに手数料がかかります。
Square:実店舗とネットを一緒に管理するなら
Squareは、お店のカード決済端末で知られる決済サービスで、オンライン決済にも対応しています。
入金手数料が無料で、三井住友銀行・みずほ銀行の口座なら売上が翌営業日に入金されるのが大きな特長です。
実店舗の売上とネットの売上を同じ管理画面で見られるので、店舗を持つ事業者に向いています。
PayPal:海外のお客さんにも売るなら
PayPalは、世界中で使われているオンライン決済サービスです。
海外の利用者が多く、PayPalのアカウントで支払えるので、海外のお客さんにも安心して買ってもらえます。
国内取引の手数料は3.6%+40円と、1件ごとの固定手数料がかかるため、少額の商品が多い場合は割高になる点に注意しましょう。
KOMOJU:ノーコードで多くの支払い方法を使うなら
KOMOJUは、株式会社DEGICAが運営する決済サービスです。
カード手数料は3.25%と低めで、コンビニ払い・銀行振込・PayPayなどのスマホ決済にも対応しています。
コードを書かずに使える決済リンクや、ShopifyやWooCommerceとの連携もあるので、ノーコードで始めたい人に向いています。
fincode byGMO:国内企業のサポートで開発するなら
fincode byGMOは、GMOイプシロン株式会社が運営する開発者向けの決済サービスです。
初期費用・月額0円で、REST APIやiOS/AndroidのSDK、本番と分かれたテスト環境が用意されています。
カード・コンビニ払い・銀行振込・PayPayなどの売上がまとめて入金されるので、入金の管理もしやすくなります。
オンライン決済サービスのよくある質問
決済サービスを導入する前によく出てくる疑問に答えます。
個人でも申し込めますか?
紹介したサービスの多くは、個人事業主でも申し込めます。
ただし、売る商品やサービスの内容、特定商取引法に基づく表記がサイトにあるかなどの審査があり、扱えない商材もあるので、事前に各社の規約を確認しましょう。
ネットショップ作成サービスと決済サービスは何が違いますか?
ネットショップ作成サービスは、お店のページ・カート・決済がセットになったサービスです。
決済サービスは支払いの部分だけを提供するので、自分で作ったサイトやWebアプリに決済を組み込みたいときに使います。
テスト中に本当にお金が動くことはありますか?
テストモード(テスト環境)とテスト用のカード番号を使えば、実際のお金は動きません。
本番に切り替えるときは、APIキーをテスト用から本番用に差し替え忘れていないかを必ず確認しましょう。
まとめ
オンライン決済サービスを使えば、1社と契約するだけで自分のサイトにカード決済やコンビニ払いを組み込めます。
- カード番号は自分のサーバーに保存せず、決済サービスの決済画面やトークン決済を使う
- 手数料率だけでなく、固定手数料・入金のタイミング・入金手数料まで比べる
- エンジニアはAPIとテスト環境、ノーコードなら決済リンクの有無で選ぶ
まずは気になるサービスのテストモードで、テスト用のカード番号を使って決済を1回試してみましょう。


























