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PCCSとは?24色相とトーンで考える日本の配色体系を解説

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PCCSとは?24色相とトーンで考える日本の配色体系を解説

「PCCS」という言葉を色彩検定や配色の解説で見かけたことはありませんか。

アルファベットの羅列で難しそうに見えますが、中身は「色をどう選べば調和するか」を考えやすくするための、日本発の実用的な仕組みです。

この記事では、PCCSとは何か、そして色彩検定とどう関係しているのかを、初心者向けにやさしく解説します。

基本の理解

まずはPCCSがどんな体系なのか、その骨格を押さえましょう。

PCCSとは何か

PCCSとは、Practical Color Co-ordinate System(日本語では「日本色研配色体系」)の略で、色の組み合わせを考えやすくするために作られた色の分類方法のことです。

1966年に、一般財団法人日本色彩研究所(色に関する研究や普及活動を行う日本の団体)が発表しました。

色を表す方法にはPCCS以外にも、色相環の考え方そのものを体系化したものがいくつかありますが、PCCSはそのなかでも「配色の調和」を目的に設計された、実務向けの体系だという点が特徴です。

PCCSの24色相

PCCSでは、赤・黄・緑・青という、人が心理的に「基本の色」と感じやすい4つの色(心理四原色と呼びます)を骨格にして、24種類の色相(色みの種類)を円形に並べています。

※理科で習う「光の三原色(赤・緑・青)」や「色の三原色(シアン・マゼンタ・イエロー)」とは異なる考え方です。

心理四原色は「人の目が直感的に対立していると感じる4つの色」を基準にしたもので、光や絵の具の混色とは別の分類だと考えてください。

また、24の色相にはそれぞれ「1:pR」「8:Y」のように番号とアルファベットの記号が割り振られており、色を番号で正確に指定できるようになっています。

PCCSの24色相環の図(リング状)。円周上に24色が均等に配置されている

色相環そのものの仕組み(補色・類似色の考え方)は、色相環とはという記事で解説していますが、PCCSはその色相環を24分割している点が特徴です。

色相の数が多いほど、色同士の関係をより細かく捉えられます。

たとえば「正反対よりも少しだけずらした色を選びたい」といった、24色相ならではの繊細な調整がしやすくなります。

トーンという考え方

PCCSのもう1つの特徴が「トーン」という考え方です。

色の見た目は、色相(色みの種類)のほかに、明度(明るさ)と彩度(鮮やかさ)という要素でも変わります。

PCCSでは、この明度と彩度をセットにして「トーン」という1つの軸として扱います。

たとえば「vivid(ビビッド、鮮やかで力強いトーン)」「pale(ペール、明るく淡いトーン)」「dark(ダーク、暗く落ち着いたトーン)」のように、それぞれに名前が付けられています。

同じ「赤」でも、トーンが変わると印象は大きく変わります。

vivid(ビビッド)

鮮やかで力強い赤

pale(ペール)

明るく淡いピンクがかった赤

dark(ダーク)

落ち着いたワインレッド調の赤

※実際のPCCS公式のトーンとは厳密には異なりますが、イメージをつかむための一例です。

「色相+トーン」という2つの情報を指定するだけで、明度・彩度を別々に調整するよりも直感的に色のイメージを伝えられるのが、PCCSが実務で重宝される理由です。

たとえばクライアントから「かわいい雰囲気にしたい」と言われた場面を考えてみましょう。

明度・彩度の数値を1つずつ調整して探るのは大変ですが、PCCSなら「pale(ペール)トーンで揃えよう」と決めるだけで、明るく淡い、かわいい印象の配色にすぐたどり着けます。

この「明度を動かしてトーンを作る」という考え方をWebサイトのブランドカラーに応用した具体的な手順は、ブランドカラーをWebに展開する方法の記事で解説しています。

実践のポイント

PCCSを学ぶ場面で押さえておきたい注意点と、よくある疑問をまとめます。

色彩検定との関係

日本で配色を体系的に学ぶ資格として代表的な「色彩検定」(色彩検定協会が主催する検定試験)では、3級の段階からPCCSが試験範囲の中心になっています。

「同一トーン配色」「対照トーン配色」といった配色技法も、PCCSのトーンの考え方をもとに出題されます。

同一トーン配色とは、たとえばすべて「pale(ペール)」で揃えて、優しくふんわりした印象にまとめる配色のことです。

対照トーン配色とは、「vivid(ビビッド)」と「dark(ダーク)」のように明るさの離れたトーンを組み合わせて、メリハリを出す配色のことです。

そのため、色彩検定の取得を目指すのであれば、PCCSの色相とトーンの考え方は避けて通れない基礎知識になります。

注意点・よくある間違い

  • PCCSは数ある色彩体系の1つであり、「色相環」という考え方そのものと同じものではありません。色相環の中の1つの実装がPCCSだ、という関係を混同しないようにしましょう。
  • 24色相の番号やトーン名をすべて暗記する必要はありません。まずは「色相環上の位置関係」と「トーンで明るさ・鮮やかさが決まる」という2つの考え方を理解できれば、実務では十分です。

よくある質問

  • Q. PCCSの正式な内容はどこで確認できる?
    A. 開発元である一般財団法人日本色彩研究所の公式サイトで、PCCSの詳しい説明が公開されています。
  • Q. マンセル表色系と何が違う?
    A. マンセル表色系は色相・明度・彩度という3つの属性で色を表す、米国発の体系です。一方PCCSは、明度と彩度をセットにした「トーン」という考え方で色相と組み合わせる、2つの軸で色を捉える体系です。どちらも国際的・工業的な場面で使われますが、PCCSは特に配色の調和を考える実務(デザイン・色彩教育)に向いています。
  • Q. 一般的な12色相環とPCCSの24色相環、どちらを先に学べばいい?
    A. まずは色相環とはという記事で、色相環そのものの基本的な考え方(補色・類似色)を理解するのがおすすめです。そのうえで、色彩検定の取得やより専門的な配色設計を目指す場合に、このPCCSの内容に進むとスムーズです。

まとめ

PCCSとは、1966年に一般財団法人日本色彩研究所が発表した、日本発の実用的な配色体系です。

心理四原色を骨格にした24色相と、明度・彩度をセットにした「トーン」という考え方が特徴で、色彩検定でも中心的に扱われています。

色相環の基本を理解したうえでPCCSを学ぶことで、より実務に近い配色の考え方が身につきます。

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